カンピロバクター
カンピロバクター(Campyrobacter)は、人の食中毒の原因となる菌。
カンピロバクター属(genus Campyrobacter)は、人や牛、豚、鳥などの口腔、腸管などに寄生している細菌。
カンピロバクターで汚染された肉や飲料水などを飲食することを通して食中毒の原因になる。
特に鶏肉の感染率が高く、最近(この数年)では、このカンピロバクターによる食中毒が多く発生している。
カンピロバクターは、クリスタル・バイオレットで発色し、ヨード液で処理した後、アルコールで脱色処理をするグラム染色法において、染色されず、対比染色で染まるグラム陰性のらせん状の桿菌で、幅が0.2~0.8ミクロン、長さが0.5~5ミクロン、端在性のべん毛を備えていて、コルクスクリュー様といわれる特徴的な運動をする。
カンピロバクター属の菌は、約20種類知られている。
これらのうち、カンピロバクター・ジェジュニ(Campyrobacter jejuni)、カンピロバクター・フィータス(Campyrobacter fetus)、カンピロバクター・コリ(Campyrobacter coli)の3種による食中毒が多い。
ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ;Helicobacter Pyroli)は、現在は、別の属に分類されているが、以前には、このカンピロバクター属に分類されていたことがある。
カンピロバクターによる食中毒は、感染力が強く、わずかの菌数(100~1000)で感染・発症することがあるので、先ずこの菌を食品に付着させないように注意を払うと共に、鶏肉などの生肉の取扱いにおいては、汚染を拡大させないよう十分な注意が必要である。
低温保存、乾燥、水分活性のコントロールがいずれもカンピロバクターの制御に有効な方法である。
カンピロバクターによる食中毒の潜伏期は、3~5日で、感染すると発熱、頭痛、吐き気、不快感、腹痛、下痢などの症状が現れる。
カンピロバクターは、熱や乾燥に弱いので、鶏肉などの生肉などを含む調理品は、十分に加熱(70℃、10分の加熱で死滅)し、また調理器具などは十分に乾燥して用いるなどの配慮が必要。
カンピロバクター・ジェジュニは、25℃以下の温度では、増殖しない。ただし、死ぬわけではなく、凍結下でも生き残るので注意が必要である。
カンピロバクターは、微好気性細菌で大気中の酸素分圧よりも酸素濃度が低い環境を好む。空気中の酸素濃度では、この属のほとんどの菌種は、増殖はできない。
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