ダイオキシン類対策特別措置法
ダイオキシン類対策特別措置法(略称:ダイオキシン対策法)
(1999年7月16日公布、法律第105号)(最終改正2006年6月1日、法律第68号)
ダイオキシン類(ポリ塩素化ジベンゾジオキシン)は、75種類の異性体があるが、その中でも2-3-7-8位が置換されたものが強い発ガン性があり、生殖機能や免疫機能の低下を引き起こすことが知られている。
ごみ焼却場の焼却灰や排煙に多く含まれ、土壌汚染の問題も発生し、世界的にも大きな問題となった。
<目的>(第1条)
ダイオキシン類が人の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれがある物質であることにかんがみ、ダイオキシン類による環境の汚染の防止及びその除去等をするため、ダイオキシン類に関する施策の基本とすべき基準を定めるとともに、必要な規制、汚染土壌に係る措置等を定めることにより、国民の健康の保護を図ることを目的とする。
<定義>(第2条)
「ダイオキシン類」:(1)ポリ塩化ジベンゾフラン。(2)ポリ塩化ジベンゾ―パラ―ジオキシン。(3)コプラナーポリ塩化ビフェニル
「特定施設」:工場又は事業場に設置される施設のうち、製鋼の用に供する電気炉、廃棄物焼却炉その他の施設であって、ダイオキシン類を発生し及び大気中に排出し、又はこれを含む汚水若しくは廃液を排出する施設で政令で定めるものをいう。
「排出ガス」:特定施設から大気中に排出される排出物をいう。
「排出水」:特定施設を設置する工場又は事業場(以下「特定事業場」という。)から公共用水域(水質汚濁防止法 (昭和四十五年法律第百三十八号)第二条第一項 に規定する公共用水域をいう。以下同じ。)に排出される水をいう。
<法律の対象となる者>
- 事業者
- 国民
- 特定施設の設置者
- 地方公共団体
<国及び地方公共団体の責務>(第3条)
国は、ダイオキシン類による環境の汚染の防止及びその除去等に関する基本的かつ総合的な施策を策定し、及び実施するものとする。地方公共団体は、当該地域の自然的社会的条件に応じたダイオキシン類による環境の汚染の防止又はその除去等に関する施策を実施するものとする。
<事業者の責務>(第4条)
事業者は、その事業活動を行うに当たっては、これに伴って発生するダイオキシン類による環境の汚染の防止又はその除去等をするために必要な措置を講ずるとともに、国又は地方公共団体が実施するダイオキシン類による環境の汚染の防止又はその除去等に関する施策に協力しなければならない。
<国民の責務>(第5条)
国民は、その日常生活に伴って発生するダイオキシン類による環境の汚染を防止するように努めるとともに、国又は地方公共団体が実施するダイオキシン類による環境の汚染の防止又はその除去等に関する施策に協力するように努めるものとする。
<耐容一日摂取量>(第6条)
ダイオキシン類が人の活動に伴って発生する化学物質であって本来環境中には存在しないものであることにかんがみ、国及び地方公共団体が講ずるダイオキシン類に関する施策の指標とすべき耐容一日摂取量(ダイオキシン類を人が生涯にわたって継続的に摂取したとしても健康に影響を及ぼすおそれがない一日当たりの摂取量で二・三・七・八―四塩化ジベンゾ―パラ―ジオキシンの量として表したものをいう。)は、人の体重一キログラム当たり四ピコグラム以下で政令で定める値とする。
2 前項の値については、化学物質の安全性の評価に関する国際的動向に十分配慮しつつ科学的知見に基づいて必要な改定を行うものとする。
<環境基準>(第7条)
政府は、ダイオキシン類による大気の汚染、水質の汚濁(水底の底質の汚染を含む。)及び土壌の汚染に係る環境上の条件について、それぞれ、人の健康を保護する上で維持されることが望ましい基準を定めるものとする。
詳細な「ダイオキシン類対策特別措置法」については、総務省のサイトを参照下さい。
<<ダイオキシン類に係る排出ガス及び排出水に関する規制>>
<排出基準>(第8条)
ダイオキシン類の排出基準は、特定施設に係る排出ガス又は排出水に含まれるダイオキシン類の排出の削減に係る技術水準を勘案し、特定施設の種類及び構造に応じて、環境省令で定める。
2 前項の排出基準は、排出ガスに係るもの(以下「大気排出基準」という。)にあっては第一号、排出水に係るもの(以下「水質排出基準」という。)にあっては第二号に掲げる許容限度とする。
一 排出ガスに含まれるダイオキシン類の量(環境省令で定める方法により測定されるダイオキシン類の量を二・三・七・八―四塩化ジベンゾ―パラ―ジオキシンの毒性に環境省令で定めるところにより換算した量をいう。以下同じ。)について定める許容限度
二 排出水に含まれるダイオキシン類の量について定める許容限度
3 都道府県は、当該都道府県の区域のうちに、その自然的社会的条件から判断して、第一項の排出基準によっては、人の健康を保護することが十分でないと認められる区域があるときは、その区域における特定施設から排出される排出ガス又はその区域に排出される排出水に含まれるダイオキシン類の量について、政令で定めるところにより、条例で、同項の排出基準に代えて適用すべき同項の排出基準で定める許容限度より厳しい許容限度を定める排出基準を定めることができる。
4 前項の条例においては、併せて当該区域の範囲を明らかにしなければならない。
5 都道府県が、第三項の規定により排出基準を定める場合には、当該都道府県知事は、あらかじめ、環境大臣及び関係都道府県知事(同項の排出基準のうち、排出水に係るものを定める場合に限る。)に通知しなければならない。
<総量規制基準>(第10条)
都道府県知事は、大気排出基準(第八条第三項の規定により定められる排出基準のうち、排出ガスに係るものを含む。以下この項において同じ。)が適用される特定施設(以下「大気基準適用施設」という。)が集合している地域で、大気排出基準のみによっては第七条の基準のうち大気の汚染に関する基準の確保が困難であると認められる地域として政令で定める地域(以下「指定地域」という。)にあっては、当該指定地域に設置されている特定事業場で大気基準適用施設を設置しているもの(以下「総量規制基準適用事業場」という。)から大気中に排出されるダイオキシン類について、総量削減計画を作成し、これに基づき、環境省令で定めるところにより、総量規制基準を定めなければならない。<現在:未設定>
<特定施設の設置の届出>(第12条)
特定施設を設置しようとする者は、環境省令で定めるところにより、次の事項を都道府県知事に届け出なければならない。
一 氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名
二 特定事業場の名称及び所在地
三 特定施設の種類
四 特定施設の構造
五 特定施設の使用の方法
六 大気基準適用施設にあっては発生ガス(大気基準適用施設において発生するガスをいう。以下同じ。)、水質排出基準(第八条第三項の規定により定められる排出基準のうち、排出水に係るものを含む。)に係る特定施設(以下「水質基準対象施設」という。)にあっては当該水質基準対象施設から排出される汚水又は廃液の処理の方法
2 前項の規定による届出には、特定施設の種類若しくは構造又は発生ガス若しくは汚水若しくは廃液の処理の方法等から見込まれるダイオキシン類の排出量(大気基準適用施設にあっては排出ガスに含まれるダイオキシン類の量とし、水質基準対象施設にあってはその水質基準対象施設が設置される特定事業場(以下「水質基準適用事業場」という。)の排出水に含まれるダイオキシン類の量とする。)その他環境省令で定める事項を記載した書類を添付しなければならない。
<届出の経過措置>(第13条)
一の施設が特定施設となった際現にその施設を設置している者(設置の工事をしている者を含む。次項において同じ。)であって、排出ガスを排出し、又は排出水を排出するものは、当該施設が特定施設となった日から三十日以内に、環境省令で定めるところにより、前条第一項各号に掲げる事項を都道府県知事に届け出なければならない。
2 次の表の上欄に掲げる者は、環境省令で定めるところにより、同表の中欄に掲げる事項を、同表の下欄に定める日から三十日以内に、都道府県知事に届け出なければならない。
一の水質基準対象施設が大気基準適用施設となった際現にその施設を設置している者 その発生ガスに係る前条第一項第六号に掲げる事項 その水質基準対象施設が大気基準適用施設となった日
一の大気基準適用施設が水質基準対象施設となった際現にその施設を設置している者 その汚水又は廃液に係る前条第一項第六号に掲げる事項 その大気基準適用施設が水質基準対象施設となった日
<特定施設の構造等の変更の届出>(第14条)
第十二条第一項又は前条第一項若しくは第二項の規定による届出をした者は、その届出に係る第十二条第一項第四号から第六号までに掲げる事項又は前条第二項の表の中欄に掲げる事項の変更をしようとするときは、環境省令で定めるところにより、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。
2 第十二条第二項の規定は、前項の規定による届出について準用する。
<実施の制限>(第17条)
第十二条第一項の規定による届出をした者又は第十四条第一項の規定による届出をした者は、その届出が受理された日から六十日を経過した後でなければ、それぞれ、その届出に係る特定施設を設置し、又はその届出に係る特定施設の構造若しくは使用の方法若しくは発生ガス若しくは汚水若しくは廃液の処理の方法の変更をしてはならない。
2 都道府県知事は、第十二条第一項又は第十四条第一項の規定による届出に係る事項の内容が相当であると認めるときは、前項に規定する期間を短縮することができる。
<氏名の変更等の届出>(第18条)
第十二条第一項又は第十三条第一項の規定による届出をした者は、その届出に係る第十二条第一項第一号若しくは第二号に掲げる事項に変更があったとき、又はその届出に係る特定施設の使用を廃止したときは、その日から三十日以内に、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。
<承継の届出>(第19条)
第十二条第一項又は第十三条第一項の規定による届出をした者からその届出に係る特定施設を譲り受け、又は借り受けた者は、当該特定施設に係る当該届出をした者の地位を承継する。
2 第十二条第一項又は第十三条第一項の規定による届出をした者について相続、合併又は分割(その届出に係る特定施設を承継させるものに限る。)があったときは、相続人、合併後存続する法人若しくは合併により設立した法人又は分割により当該特定施設を承継した法人は、当該届出をした者の地位を承継する。
3 前二項の規定により第十二条第一項又は第十三条第一項の規定による届出をした者の地位を承継した者は、その承継があった日から三十日以内に、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。
4 特定事業場に設置されるすべての大気基準適用施設について、第一項又は第二項の規定により届出をした者の地位を承継した者は、第十六条又は第二十二条第三項の規定の適用については、特定事業場の設置者の地位を承継するものとする。
<排出の制限>(第20条)
排出ガスを排出し、又は排出水を排出する者(以下「排出者」という。)は、当該排出ガス又は排出水に含まれるダイオキシン類の量が、大気基準適用施設にあっては排出ガスの排出口、水質基準対象施設にあっては当該水質基準対象施設を設置している水質基準適用事業場の排水口において、排出基準に適合しない排出ガス又は排出水を排出してはならない。
2 前項の規定は、一の施設が特定施設となった際現にその施設を設置している者(設置の工事をしている者を含む。次項において同じ。)の当該施設から排出される排出ガス又は当該施設に係る排出水については、当該施設が特定施設となった日から一年間は、適用しない。ただし、当該施設が水質基準対象施設となった際既に当該工場又は事業場が水質基準適用事業場であるとき、及びその者に適用されている地方公共団体の条例の規定で前項の規定に相当するものがあるとき(当該規定の違反行為に対する処罰規定がないときを除く。)は、この限りでない。
3 第一項の規定は、一の水質基準対象施設が大気基準適用施設となった際現にその施設を設置している者の当該施設から排出される排出ガス又は一の大気基準適用施設が水質基準対象施設となった際現にその施設を設置している者の当該施設に係る排出水については、それぞれ、当該施設が大気基準適用施設又は水質基準対象施設となった日から一年間は、適用しない。この場合においては、前項ただし書の規定を準用する。
<総量規制基準に係る排出の制限>(第21条)
総量規制基準適用事業場において大気中に排出ガスを排出する者は、当該総量規制基準適用事業場に設置されているすべての大気基準適用施設の排出口から排出されるダイオキシン類の量の合計量が総量規制基準に適合しない排出ガスを排出してはならない。
2 前項の規定は、第二条第二項の政令の改正、第八条第一項の環境省令の改正又は第十条第一項の政令の改正により新たに総量規制基準適用事業場となった工場又は事業場に設置されている大気基準適用施設から大気中に排出ガスを排出する者については、当該工場又は事業場が総量規制基準適用事業場となった日から一年間は、適用しない。(現在:未制定)
<事故時の措置>(第23条)
特定施設を設置している者は、特定施設の故障、破損その他の事故が発生し、ダイオキシン類が大気中又は公共用水域に多量に排出されたときは、直ちに、その事故について応急の措置を講じ、かつ、その事故を速やかに復旧するように努めなければならない。
2 前項の場合には、同項に規定する者は、直ちに、その事故の状況を都道府県知事に通報しなければならない。ただし、石油コンビナート等災害防止法 (昭和五十年法律第八十四号)第二十三条第一項 の規定による通報をした場合は、この限りでない。
3 都道府県知事は、第一項に規定する事故が発生した場合において、当該事故に係る特定事業場の周辺の区域における人の健康が損なわれ、又は損なわれるおそれがあると認めるときは、その事故に係る同項に規定する者に対し、その事故の拡大又は再発の防止のため必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
4 都道府県知事は、第二項の規定による通報を受け、又は前項の規定による命令をしたときは、速やかに、その旨を環境大臣に報告しなければならない。
<廃棄物焼却炉のばいじんの処理>(第24条)
廃棄物焼却炉である特定施設から排出される当該特定施設の集じん機によって集められたばいじん及び焼却灰その他の燃え殻の処分(再生することを含む。)を行う場合には、当該ばいじん及び焼却灰その他の燃え殻に含まれるダイオキシン類の量が環境省令で定める基準以内となるように処理しなければならない。
2 廃棄物焼却炉である特定施設から排出される当該特定施設の集じん機によって集められたばいじん及び焼却灰その他の燃え殻については、廃棄物の処理及び清掃に関する法律 (昭和四十五年法律第百三十七号)第二条第三項 中「爆発性」とあるのは「廃棄物の焼却施設に係る燃え殻その他の爆発性」と、同条第五項 中「爆発性」とあるのは「廃棄物の焼却施設に係る集じん機によつて集められたばいじん及び燃え殻その他の爆発性」と、同法第六条の二第三項中「基準は」とあるのは「基準は、ダイオキシン類対策特別措置法(平成十一年法律第百五号)第二十四条第一項に定めるもののほか」と、同法第十二条の二第一項中「政令」とあるのは「ダイオキシン類対策特別措置法第二十四条第一項に定めるもののほか、政令」と読み替えて、同法の規定を適用する。
<廃棄物の最終処分場の維持管理>(第25条)
廃棄物の最終処分場については、ダイオキシン類により大気、公共用水域及び地下水並びに土壌が汚染されることがないように、環境省令で定める基準に従い、最終処分場の維持管理をしなければならない。
2 廃棄物の最終処分場については、廃棄物の処理及び清掃に関する法律第八条の三中「環境省令」とあるのは「環境省令(ダイオキシン類対策特別措置法(平成十一年法律第百五号)第二十五条第一項の環境省令を含む。第十五条の二の二において同じ。)」と、同法第九条第五項中「環境省令で定める技術上」とあるのは「環境省令(ダイオキシン類対策特別措置法第二十五条第一項の環境省令を含む。)で定める技術上」と読み替えて、同法の規定を適用する。
<<ダイオキシン類による汚染の状況に関する調査等>>
<設置者による測定>(第28条)
大気基準適用施設又は水質基準適用事業場の設置者は、毎年一回以上で政令で定める回数、政令で定めるところにより、大気基準適用施設にあっては当該大気基準適用施設から排出される排出ガス、水質基準適用事業場にあっては当該水質基準適用事業場から排出される排出水につき、そのダイオキシン類による汚染の状況について測定を行わなければならない。
2 廃棄物焼却炉である特定施設に係る前項の測定を行う場合においては、併せて、その排出する集じん機によって集められたばいじん及び焼却灰その他の燃え殻につき、政令で定めるところにより、そのダイオキシン類による汚染の状況について、測定を行わなければならない。
3 大気基準適用施設又は水質基準適用事業場の設置者は、前二項の規定により測定を行ったときは、その結果を都道府県知事に報告しなければならない。
4 都道府県知事は、前項の規定による報告を受けたときは、その報告を受けた第一項及び第二項の測定の結果を公表するものとする。
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