RoHS指令
RoHS指令とは、Restriction of Hazardous Substances(危険物質に関する制限)の頭文字による。
一般には、「ローズ」と呼ばれるが、「ロース」または「ロス」と呼ぶ場合もある。
RoHS指令の正式な名称は、"DIRECTIVE 2002/95/EC OF THE EUROPEAN PARLIAMENT AND OF THE COUNCIL of 27 January 2003 on the restriction of the use of certain hazardous substances in electrical and electronic equipment"になります。
RoHS指令は、電子・電気機器における特定有害物質の使用制限を規定するものでEU(欧州連合)による指令で、電子・電気機器のライフサイクルのエンドの廃棄・リサイクルを規定するWEEE指令と共に、電子・電気機器のライフサイクルの研究・開発から製造などの上流側を規定する指令として2003年2月13日に官報に掲載され、発効しています。
RoHS指令は、その第1条に記載されているようにその目的は、『電気・電子機器中の有害物質の使用制限に関する法規を加盟国間で接近させ、人の健康を保護するとともに、電気・電子機器廃棄物の環境に無害な方法での再利用並びに廃棄に寄与すること』としています。
EUにおける指令の位置づけは、『達成されるべき結果を示す』ものでEU加盟国を拘束するがその実際の形式方法は各加盟国の国内法によるという性質のものです。
RoHS指令は、単一市場の達成を意図するEC条約第175条が選択され、加盟国では、このRoHS指令より厳しい国内法を制定できないことになっています。
RoHS指令の適用範囲:
としては、WEEE指令の付属書(AnnexⅠA:以下に記載)のカテゴリー1,2,3,4,5,6,7ならびに10に適用することが定められています。また加えて電球と家庭照明器具とに適用することが定められています。
1.大型家庭用電気製品
2.小型家庭用電気製品
3.情報技術・電気通信機器
4.消費者用機器
5.照明器具
6.電気・電子工具(大型の据付型製造業工具を除く)
7.玩具並びにレジャー、スポーツ器具
8.医療関連機器(すべての移植機器及び汚染機器を除く)<<除外>>
9.モニター及び制御用機器<<除外>>
10.自動販売機
また安全と健康のための必須事項に関するEU法規や、廃棄物管理に関する一部のEU法規と整合させることが定められています。
RoH指令は、2006年7月1日以前に上市された電気・電子機器の修理のためのスペアパーツや電気・電子機器の再使用には適用されないと定められています。
「電気・電子機器」又は「EEE」
とは、それが正常に機能するために電流または電磁波を必要とする機器、及びこのような電流または電磁波を再生、伝達あるいは測定するための機器で、上記のWEEE指令の付属書IAに規定される範疇に含まれるもので、かつ交流1000ボルト以下、直流1500ボルト以下の電圧で使用されるよう設計されたものを指すとしています。
第4条の予防に関する規定では、「2006年7月1日から、新しく上市される電気・電子機器が鉛、水銀、カドミウム、六価クロム、PBB或いはPBDEを含んでいないことを保証する。最大許容濃度としては、以下のように定められています。日本の企業団体のロビイスト活動が活発に行われた結果の着地点ということになります。
1. 鉛 :1,000ppm以下
2. 水銀 :1,000ppm以下
3. カドミウム :100ppm以下
4. 六価クロム :1,000ppm以下
5. ポリ臭化ビフェニル (PBB) :1,000ppm以下
6. ポリ臭化ジフェニルエーテル (PBDE) :1,000ppm以下
「電気・電子機器へのこうした物質の使用を制限或いは禁止する加盟国レベルでの方策で、本指令採択以前に欧州共同体法規にそって採択されたものは、2006年7月1日まで維持されてかまわない。」としています。
また上記の4条1項に対して、付属書(Annex)に示す用途については適用除外となっています。(詳細は、Annex参照:水銀、鉛、カドミウム、6価クロム)
RoHS指令については、これに違反したらどうかという点について、指令では、8条に罰則規定を設け、「加盟国は、本指令に従って採択される国内規定への違反に対し適用されるべき罰則を定める。」とし、加盟国の各国の国内法で定められることになります。
RoHS指令以前に、すでにオランダやベルギーなどで類似の法律が制定され、電子・電気機器製品へのRoHS指令と同様の有害危険化学物質の含有を規制する法律がありました。
RoHS指令の以前の経験では、パソコンの電源ケーブルの塩化ビニルのシース中に安定剤として用いられた硫酸鉛が含有するものが発見された事例がありました。これは、当時、ヨーロッパで大きな新聞記事になり、単なるパソコンの電源ケーブルの問題に終わらず、世界的な活動を行っているヨーロッパの消費者団体が大々的にこの問題を取り上げ、○○企業は、環境に対する取組み意識のない会社として、一製品の問題にとどまらず○○ブランド全体の不買運動に発展したという経緯があります。
RoHS指令の違反は、このような単に一製品の罰則という問題にとどまらず、そのブランドの全電子・電気機器がEU市場からレッドカードを受けてしまうという取り返しのつかないリスクを持っている可能性があることの経験から電子・電気機器製品のEU輸出企業は、サプライヤーへの要求も含めてこのRoHS指令に対して極めて慎重に確実に対処した背景の一つになっています。
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