手順
「手順」(procedure) は、ISO14001:2004(JISQ 14001:2004)規格において以下の通り定義されています。
「活動又はプロセスを実行するために規定された方法。
参考1. 手順は文書化することもあり,しないこともある。
参考2. JIS Q 9000:2000,3.4.5 から部分的に採用。」(3.19項)
この定義は、ISO9000:2006でも基本的に同じです。(厳密には、ISO 9000では、「注記2 手順が文書にされた場合は,“書かれた手順”又は“文書化された手順”という用語がよく用いられる。手順を含んだ文書を,“手順書”と呼ぶことがある。」があります。)
なお「プロセス」(process)は、ISO9000では、以下のように定義されています。
「インプットをアウトプットに変換する,相互に関連する又は相互に作用する一連の活動。
注記1 プロセスのインプットは,通常,他のプロセスからのアウトプットである。
注記2 組織内のプロセスは,価値を付加するために,通常,管理された条件のもとで計画され,実行される。
注記3 結果として得られる製品の適合が,容易に又は経済的に検証できないプロセスは,“特殊工程”(special process)と呼ばれることが多い。」(3.4.1項)
一般に、構築されたマネジメントシステムの運用において、標準化した方法や作業について,共通の認識を持って推進することが必要になります。
このために手順が必要になります。
この活動内容、作業方法、点検方法などを含めたものが手順になります。
ISO14001:2004規格では、要求事項において以下の手順を確立し、実施し、維持することが求められています。
「組織は,次の事項にかかわる手順を確立し,実施し,維持すること。
a) 環境マネジメントシステムの定められた適用範囲の中で,活動,製品及びサービスについて組織が管理できる環境側面及び組織が影響を及ぼすことができる環境側面を特定する。その際には,計画された若しくは新規の開発,又は新規の若しくは変更された活動,製品及びサービスも考慮に入れる。
b) 環境に著しい影響を与える又は与える可能性のある側面(すなわち著しい環境側面)を決定する。(4.3.1項)
組織は,次の事項にかかわる手順を確立し,実施し,維持すること。
a) 組織の環境側面に関係して適用可能な法的要求事項及び組織が同意するその他の要求事項を特定し,参照する。
b) これらの要求事項を組織の環境側面にどのように適用するかを決定する。(4.3.2項)
組織は,組織で働く又は組織のために働く人々に次の事項を自覚させるための手順を確立し,実施し,維持すること。
a) 環境方針及び手順並びに環境マネジメントシステムの要求事項に適合することの重要性
b) 自分の仕事に伴う著しい環境側面及び関係する顕在又は潜在の環境影響,並びに各人の作業改善による環境上の利点
c) 環境マネジメントシステムの要求事項との適合を達成するための役割及び責任
d) 規定された手順から逸脱した際に予想される結果(4.4.2項)
組織は,環境側面及び環境マネジメントシステムに関して次の事項にかかわる手順を確立し,実施し,維持すること。
a) 組織の種々の階層及び部門間での内部コミュニケーション
b) 外部の利害関係者からの関連するコミュニケーションについて受け付け,文書化し,対応する。(4.4.3項)
組織は,次の事項にかかわる手順を確立し,実施し,維持すること。
a) 発行前に,適切かどうかの観点から文書を承認する。
b) 文書をレビューする。また,必要に応じて更新し,再承認する。
c) 文書の変更の識別及び現在の改訂版の識別を確実にする。
d) 該当する文書の適切な版が,必要なときに,必要なところで使用可能な状態にあることを確実にする。
e) 文書が読みやすく,容易に識別可能な状態であることを確実にする。
f) 環境マネジメントシステムの計画及び運用のために組織が必要と決定した外部からの文書を明確にし,その配付が管理されていることを確実にする。
g) 廃止文書が誤って使用されないようにする。また,これらを何らかの目的で保持する場合には,適切な識別をする。(4.4.5項)
a) 文書化された手順がないと環境方針並びに目的及び目標から逸脱するかもしれない状況を管理するために,文書化された手順を確立し,実施し,維持する。
b) その手順には運用基準を明記する。
c) 組織が用いる物品及びサービスの特定された著しい環境側面に関する手順を確立し,実施し,維持す
ること,並びに請負者を含めて,供給者に適用可能な手順及び要求事項を伝達する。(4.4.6項)
組織は,環境に影響を与える可能性のある潜在的な緊急事態及び事故を特定するための,またそれらにどのようにして対応するかの手順を確立し,実施し,維持すること。
組織は,緊急事態への準備及び対応手順を,定期的に,また特に事故又は緊急事態の発生の後には,レビューし,必要に応じて改訂すること。
組織は,また,実施可能な場合には,そのような手順を定期的にテストすること。(4.4.7項)
組織は,著しい環境影響を与える可能性のある運用のかぎ(鍵)となる特性を定常的に監視及び測定するための手順を確立し,実施し,維持すること。この手順には,パフォーマンス,適用可能な運用管理,並びに組織の環境目的及び目標との適合を監視するための情報の文書化を含めること。(4.5.1項)
順守に対するコミットメントと整合して,組織は,適用可能な法的要求事項の順守を定期的に評価するための手順を確立し,実施し,維持すること。組織は,この評価を4.5.2.1 にある法的要求事項の順守評価に組み込んでもよいし,別の手順を確立してもよい。(4.5.2項)
組織は,顕在及び潜在の不適合に対応するための並びに是正処置及び予防処置をとるための手順を確立し,実施し,維持すること。その手順では,次の事項に対する要求事項を定めること。
a) 不適合を特定し,修正し,それらの環境影響を緩和するための処置をとる。
b) 不適合を調査し,原因を特定し,再発を防ぐための処置をとる。
c) 不適合を予防するための処置の必要性を評価し,発生を防ぐために立案された適切な処置を実施する。
d) とられた是正処置及び予防処置の結果を記録する。
e) とられた是正処置及び予防処置の有効性をレビューする。(4.5.3項)
組織は,記録の識別,保管,保護,検索,保管期間及び廃棄についての手順を確立し,実施し,維持すること。(4.5.4項)
次の事項に対処する監査手順を確立し,実施し,維持すること。
- 監査の計画及び実施,結果の報告,並びにこれに伴う記録の保持に関する責任及び要求事項
- 監査基準,適用範囲,頻度及び方法の決定(4.5.5)」(I以上:SO14001規格要求事項より抜粋)
以上のようにISO14001:2004規格要求事項では、文書化が要求されている手順は、4.4.6項「運用管理」だけですが、他の手順要求についてもマニュアルやその下位文書に手順を規定しておくことが必要だろうと思われます。
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