妥当性確認
「妥当性確認」(validation)とは、ISO 9000:2005(JIS Q 9000:2006)において以下の通り定義されています。
『客観的証拠を提示することによって,特定の意図された用途又は適用に関する要求事項が満たされていることを確認すること。』注記1 “妥当性確認済み”という用語は,妥当性確認が済んでいる状態を示すために用いられる。
注記2 妥当性確認のための使用条件は,実環境でも模擬でもよい。
『妥当性確認』の用語は、ISO 9001:2000規格の7.1項、7.3.1項、7.3.6項、7.3.7項、7.5.2項で用いられています。
設計・開発の妥当性確認については、1994年版の規格でも4.4.8項で定められ、設計・開発のレビュー・検証・妥当性確認は、以下の図のような関係として説明されてきています。
すなわち、設計・開発プロセスでの結果が、設計・開発プロセスのスタートのところで必要と判断された要求事項を満たしているかどうかを確認することが検証。設計・開発プロセスが何回かのステップに及ぶプロジェクトの場合は、設計・開発の検証は、その段階ごとに行うこともできます。
レビューは、設計・開発プロセスのいずれの段階でも実施することができます。
妥当性確認については、最終製品・サービスが、実際に顧客のニーズを満足させる能力を備えているか、または実際に顧客ニーズ・期待に合致しているかどうかを確認するプロセスということになります。
具体的な妥当性確認の方法としては、一連の動作確認試験や市場でのモニタテストなどがあります。実際に試作品などを動作させたり、モニタテストユーザーへのアンケート確認などにより最終製品・サービスが顧客ニーズ・期待に合致していることを上記の客観的証拠に基づいて確認することになります。
妥当性確認は、顧客のニーズ・期待が設計・開発へのインプットにキチントと反映されていなかったり、設計・開発のプロセスの途中でコストや技術などの組織側の諸事情により、顧客のニーズ・期待から少し離れたものになったりする場合があるからです。
設計・開発は、源流側にあるだけにそこで顧客のニーズ・期待からのずれが生じるとそのまま川下まで行ってしまうとダメージが大きくなるため何重かの関所を設けていることになります。
設計・開発の内容によっては、製品のスケッチとかモックアップのサンプルや、コンピュータのシミュレーションデータなどを顧客が受け入れたことをもって、妥当性確認の適合性の実証に用いることもあります。
一方、7.5.2項の「プロセスの妥当性確認」は、2000年版改定の検討の途上でもめた要求項目のようで、ISO 9001にはこの要求事項が入っていますが、整合の取れた一対の規格であるISO 9004:2000規格には、この項が入っていません。
医療機器の品質保証を担当している技術委員会のTC-210委員会の7.5.2項に対する明確な記述要求などの背景のもと設定された要求項となっています。
医療機器では、妥当性確認は、難しい要求項目ではなく、バリデーションの言葉自体が一般化して用いられている用語になっています。
医療機器における品質マネジメントシステムの国際規格であるISO 13485:2003では、例えば、7.5.2.2項「滅菌医療機器に対する固有の要求事項」において、『滅菌プロセスは、最初の使用に先立って妥当性確認を行うこと』と規定しています。
酸化エチレンガスで滅菌を行う場合に、滅菌医療機器の配置や温度条件やガスの曝露時間などの関係するプロセスのパラメータについて予め実験により殺菌が有効に進んだかの評価を行い、その予備実験で決めた条件が実際の滅菌プロセスにおいても着実に維持されているかという客観的な証拠データを確認することで、意図する滅菌プロセスの有効性を確認するものです。
医療機器でなくても、溶剤型焼付け塗料を被塗物に塗布するという塗装プロセスでも、客観的証拠を提示することによって,特定の意図された用途又は適用に関する要求事項が満たされていることを確認することを以下のように行っているかと思います。
一般的には、量産する条件を求めるための予備実験で要求事項を満たす望ましい条件を設定していると思います。
例えば、塗料の吹き付け条件やコンベアスピードや焼き付け炉の温度設定などの関係するパラメータについて効率的には、実験計画法やタグチメソッドなどによりパラメータを振っての一連の評価実験などにより、要求事項に合致した特性を持つ塗膜の製品が得られることが確認できた上で、設定した工程管理のパラメータについて、計画した膜厚、温度パターン、コンベア速度などが維持されていることをデータで確認しながら、塗装プロセスを実行するとすれば、これは、妥当性確認のプロセスの実行になります。ワークに混ぜてダミーのテストピースを同様の工程で処理し、各種テストを確認しているとすればこれも妥当性確認になります。テストピース特性データからワークの塗膜が要求事項を満足していることを確認しているからです。
またISO22000:2005規格では,妥当性確認について以下のように定義しています。(これは、CodexのHACCP原則の定義に基づきます)
「HACCPプランおよびオペレーションPRP(OPRP)によって運営される管理手段が効果的である証拠を得ること。」
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